カリフォルニア由来の変異株に対するワクチンの有効性は?

米国では、B.1.429、またはCAL.20Cと呼ばれる新型コロナウイルスの変異株が、カリフォルニア州を中心に急速な広がりを見せている。そんな中、米モデルナ社製のmRNAワクチンと、米ノババックス社製のナノ粒子ワクチンの2種類のワクチンが、この変異株に対しても有効であるとする研究結果が報告された。ただし、南アフリカで最初に確認された変異株(B.1.351)に対しては効果が大きく低下するという。米デューク大学医学部のDavid Montefiori氏らによるこの研究の詳細は、「The New England Journal of Medicine」に4月7日掲載された。

Montefiori氏らは、モデルナ社製のワクチンを接種した26人とノババックス社製のワクチンを接種した23人、および新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の回復期にある14人から採取した血液サンプルを用いて、カリフォルニア由来の変異株と南アフリカ由来の変異株に対する抗体の中和能を測定した。なお、ノババックス社製のワクチンは、遺伝子組み換え技術を用いて抗原タンパク質を大腸菌や哺乳類細胞などで増殖させ、単離・精製する組み換えタンパク質ワクチンと呼ばれるものであり、数週間以内に米食品医薬品局(FDA)の承認を得る見込みであるという。

その結果、いずれの血液サンプルも、元々のウイルスに対する有効性よりは多少低下するものの、カリフォルニア由来の変異株に対して強力な防御能を持つことが明らかになった。しかし残念ながら、いずれのワクチンも、南アフリカ由来の変異株に対しては、有効性が有意に低下することが確認されたという。

カリフォルニア由来の変異株は、米国を越えて25カ国に急速に広がっている。今回の研究で得られた結果についてMontefiori氏は、「現在使用されているワクチンが、カリフォルニア由来の変異株に対しても有効であるということは朗報だ」と述べる。そして、「米国では現在、この変異株が英国由来の変異株と同じくらい蔓延していることから、この知見は重要である」と付け加えている。

なお、米ファイザー社製のワクチンについては、今回の研究では調査を行っていない。しかし、このワクチンはモデルナ社製のワクチンと同様の技術を用いて開発されたものであるため、Montefiori氏らは、「同様の結果が出ると思われる」との見方を示している。(HealthDay News 2021年4月8日)

https://consumer.healthday.com/b-4-8-two-vaccines-...

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